Wednesday, June 17, 2015

レタープレスキットの使い方(追記あり)

シルクスクリーン、レタープレス、リトグラフィーなどなど、昔ながらのプリンティング技術には憧れがあります。

木版画やゴム版画、ステンシル、それこそエンボシングやスタンプなどもプリンティング技術の仲間ですので、今の私の趣味と仕事もその憧れの延長線上にあると言えるでしょう。

中でも好きなのが、レタープレス。

ボソッとした厚みのある専用のペーパーにくっきりと凸凹模様が付き、へこんだ部分に色が入る、その風合い にはときめきます。

ひとつひとつ手刷りのためにできるインクのムラやかすれ、濃淡の個体差などが素朴な印象と温かみを与えるところも、レタープレスの魅力です。

ウィーアーメモリーキーパーズからダイカットマシンの別売りアクセサリーとして発売されたレタープレスキットが人気大爆発だったときは、「ペーパークラフターさんには私のようにレタープレス好きの方が多いのだな」と思ったものです。

今週金曜日、そのレタープレスキットがついにクロップパーティーにやって来ます!

本来は昨年の12月の発売予定だったのですが、メーカー在庫切れがずっと続き、半年後の今週になってしまいました。何件かのお問い合わせやリクエストをいただいていたようですので、お待ちだった方もいらっしゃるかもしれませんね。

今日はその使い方を、小野智美さんに書いていただいています。実は智美さんは、「将来レタープレス屋さんになりたい」というくらいのレタープレス好き。

スタンプカーニバルで初めてお会いした頃から「レタープレスと言えば智美さん」というくらい印象づいていましたので、仕入れが決まった昨年秋には迷わず依頼をいたしました。

以下、ご提供くださったとても詳しい力作記事です。


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真理子さんのブログをお読みの皆様、こんにちは。

今回はWRMKのダイカットマシンで使えるレタープレスキットのご紹介です。

私はレタープレス(活版印刷)の施された紙がとてもとても好きで、数年前より名刺やカードを作るワークショップなど何度か参加しており、いつかはテキンを自室に置きたいと夢見ています(笑)。

ですので、こちらのWRMKレタープレス・スターターキット【CP】も長い間気になっていたもののひとつでした。

取扱説明書が数ヶ国語で書かれていますが、残念ながら日本語版はありませんので、手順を写真とともにご紹介しようと思います。

レタープレス・スターターキットの中身です。


カードサイズの厚みのある白い紙はレタープレス用紙で、6インチくらいの白い紙は両面テープです。この両面テープは樹脂版をプラットフォームに固定するときに使用します。


画像をわかりやすくするためにプラットフォームの上の面に青、下の面に黄色のマスキングテープを貼っておきました。プラットフォームを開きます。


両面テープをタイプライターの外枠の四角に合わせてカットし、上の面の内側に貼り付けます。





タイプライターの版2枚と文字を読みやすいように並べるとこのようになり、最初の版でタイプライターのボディを、2つめの版で文字とボタンを印刷します(文字とボタンとをさらに色分けしたい場合、3版に分けることもできます)。


キットに入っている色はこちらの5色です。


チューブを開けて「え!?」と思った色はピンクで、これはピンクというより赤に近い色でした。レタープレスのインクは少し手間がかかりますが混色もできます。インクのチューブが小さく感じるかもしれませんが(皮膚科で頂く薬のようなサイズです)、レタープレスはインクを少量しか使いませんので、大丈夫です。

4本入っているスティックは、このように版の周りに置き、インクを塗る際に使います。低い部分にローラーのインクがつかないようにするためです。


パタパタ動いてしまうのでマスキングテープで固定しています。はがす時もインクが他につきにくく、楽です。

インクの用意をします。厚みのある四角いプレートに、ほんの少し出します。



ローラーを転がし、ローラー全体にインクがつくようにします。


活版印刷の機械も少しずつ角度をずらしながら円を書くようにインクをローラーにつけるので、真似てやっています。ローラーにインクがつきすぎてしまうと溝にもインクが埋まって印刷されてしまうので、ごく薄く延ばします。

これを、プレートに塗ります。



スティック状のレールが高さのガイドになり、必要のないところにインクがつかないようになっているのがわかります。

塗り終えたらガイドのスティックを外します。レタープレスのインクは落ちにくいので、スティックも外したらすぐに拭いておくと次に使うときに便利です。版の周りについてしまったインクも、綿棒などで拭いておきます。

フォームステッカーを用紙のサイズに合わせて貼り、ずれないようにします。


紙を置いたら、プラットフォームを閉じます。


 エボリューションのダイヤルをレタープレスの真ん中にしてみました。



開けてみます。


四角い外枠のラインが見えますでしょうか、そのくらいの圧で印刷面もプレスがかかっています(つまり版の周りを拭いておかないと、、余分なインクがついてしまったまま印刷されます)。

スターターキットに入っている紙はオフホワイトの白い紙です。

今度は、先日買ったヒーローアーツのレタープレスペーパー・クリーム【CP】 を使ってみます。



少し横幅が大きいのでフォームテープのガイドを一箇所だけ動かします。



今度は周りもきれいにできました。これをくり返し、何枚か作ります。



では、2つ目の版に張り替えます。ここで便利なのが、クイックスティック【CP】 。両面テープがなかなか強く、しかもプレスをかけているので、爪では剥がせない程なのです。



2つ目の、ボタンのプレートと文字。文字は THANK YOU を選びました。



シルバーのインクをプレートとローラーから拭き取り、ボタンと文字の色を用意します。今回はティールブルーにしました。用紙を置いて、プラットフォームを閉じて、ダイカットマシンを回します。





きれいに重ね刷りのレタープレスができました!



クイックスティックで一度剥がし、違う文字のプレートに差し替えることもできます。



タイプライターのプレートのほかに、6インチのパターンのプレートも付属しています。タイプライターのプレートを剥がし、両面テープをそのまま使用しました。



紙はレンジャーの水彩用の紙【CP】 を使ってみました。



一回り小さめにハンドカットしましたので、下に6インチの大きさに切ったコピー用紙を敷いています(インクがついてしまうとお掃除が大変なのです)。



何色か作ってみました。右のタイプライターの文字、ピンクです。右上はネイビーです。



インクのお掃除が少し大変なのですが、仕上がりはとてもきれいで、スタンプとはまた違った印象になり、違うデザインのプレートを色々そろえたくなってしまいます。タイプライターの文字の部分を空欄のままにして、スタンプを合わせたりなど、いろいろできそうです。

レタープレス用の粘着シート【CP】は、プラットフォームにしっかり着くのに、剥がすのも簡単なのですばらしいアイテムだと思いました。

皆様の参考になりましたら幸いです。お読みいただきありがとうございました。

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<追記>
レタープレスキットの内容が変更し、 含まれるプレートはタイプライターではなくお花のデザインになっています。



ローンフォーンもそうだけれど、やっぱりそれをこよなく愛する人が担当するに限りますね!分かりやすい説明と素敵なサンプルをどうもありがとうございました。

増えゆく取り扱いブランドに伴い、クロップパーティーではデザインチームメンバーの増員を検討中です。応募条件など、来週には発表できるようにしたいと思います。

今日も応援よろしくお願いいたします!










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